2014年2月28日金曜日

残雪のなか倉庫へ

ガレリア座の大道具倉庫は南アルプス市にあります。今度の公演で使用する道具の下見に行く計画を先週立てていたのですが、中央高速は雪により不通。2月24日に予定をずらしてみたものの恐る恐るの出発となりました。道路そのものは開通していました。でも両側は雪の壁。この週から気温が上がり、固まった雪が崩れる危険から、大月ICから先は1車線規制。80キロのノロノロ運転を強いられました。雪に埋まった談合坂で遅い朝食を取り、昼ごろに倉庫に到着。過去の遺産を眺めながら舞台の構想を固めました。天気も良かったので近くの武田神社へ。もちろん甲斐武田家が祀られているのです。思いのほか立派な造りで、雪に佇む能楽堂が殊のほか美しかったです。

まだ除雪作業中

まもなく談合坂

雪に埋まる談合坂SA

倉庫前も雪で…

武田神社へ

雪のなかに能楽堂

立派なお社

舞台の成功を祈願?

2014年2月25日火曜日

東京オペレッタ劇場ボッカッチョを観る

新橋の内幸町ホールで行われた東京オペレッタ劇場公演に行ってきました。演目はスッペの「ボッカッチョ」。筋書きや音楽がヨレヨレしているオペレッタ作品のなかでも、かなりしっかりした方の部類に入り、「恋はやさし、野辺の花よ」や「ベアトリ姉ちゃん」など大正期の浅草オペレッタを代表する作品でもあります。東京オペレッタ劇場を主宰する指揮者であり、演出家でもある角岳史さんはこの作品を音楽的にも芝居的にも、じつに今の世の中に受け入れられるような形に見事に調理したのです。まずは、たくさん登場する個性的な人物の頭数を泣く泣く絞り、枝葉のストーリーを削ぎ落して、まるで大吟醸酒のようにスッキリ淡麗に物語を浮かびあがらせました。タイトルロールを歌う大山大輔さんをはじめ男性キャストに、ミュージカル経験豊かなメンバーを起用することで、芝居の色やテンポはミュージカル化。日本でやるオペレッタで、私がどうにも馴染めなかった“風刺素材”もスマートに演じて、それがあっさり観衆に受け入れられていくのです。歌の方でも、たとえば、ボッカッチョとフィアメッタの有名な二重唱を、1番を訳詞の日本語、2番をイタリア語で歌わせて何の違和感も与えない。むしろ自然で、かっこいいと思わせてしまう。とにかく至る所に構成力の見事さを感じさせる仕掛けが施してあり、でもそれが全然これ見よがしにならない。いなり寿司やらスパゲッティやら“消えもの”が登場したり、あからさまなアドリブ劇が入ったり、まったく小劇場的面白さが観衆を力強く引っ張っていくのです。クラシック音楽への憧れからオペレッタ世界に行きついた私には到底できないアプローチだなあと感心しきりでした。とにかくプロのお仕事。資料的価値ではなく、興業として本当に楽しい。お客様の年齢層も何だかすっかり若くて、新しいオペレッタ受容の姿を見た気がしました。角さん、9月の「ルクセンブルクの伯爵」も楽しみにしています!

恋はやさし、野辺の花よ

2014年2月17日月曜日

嗚呼、またも雪

2月14日、東京を襲った二度目の大雪。北国にお住まいの方には笑われるような話ですが、雪に免疫のない都会の人間にとってこれは立派な災害でした。その日、勤務を22時15分に終えた私は地下鉄副都心線西早稲田の駅に向かいました。東武線、西武線、東急線と乗り入れをしている副都心線は各私鉄の運行状況の影響を受ける路線です。もちろん時刻通りに来ることは期待していません。動いているだけでもありがたい。15分近く待って思いのほか空いている副都心線に乗車。新宿三丁目で下車し、JR新宿駅まで徒歩。私の場合、問題はその先の中央線でした。快速電車はホームで止まったまま。アナウンスに従い緩行線に乗り、まずは三鷹まで何とか行ければと…。乗った電車は、大久保、東中野、中野とそれぞれの駅で数分の停車を繰り返しました。そして電車は、“運命の”高円寺駅に到着したのです。車掌のアナウンスは「この先の各駅すべてに電車が停車しており、運行のめどが立っておりません。」。時刻は午前零時を回り、もはや新宿に引き返す電車もない。雪は風とともに強まるばかり。天気予報では零時過ぎには雨に変わるとか言っていたのに!15日は気温が10度を超えて暖かくなると言っていたのに!とりあえず、列車を降りて、改札を出て、タクシー乗り場を見てみれば、そこには長蛇の列。でもタクシーは一台もやって来ない。タクシー会社に電話をしてもまったく通じない。虚しく時間だけが過ぎていき午前3時を回り、私も腹をくくりました。日頃お世話になっている通勤電車、中央線の中での夜明かしです。中央線は青梅線や五日市線に乗り入れるため、各扉横に手動の開閉ボタンが付いています。通常、中央線区間では使用しないこのボタンが今回、とても役に立ちました。車内の温度を保つため、すべての扉を閉鎖し、トイレ等の出入りはこのボタンで乗客自身が開閉を行いました。疲労のせいか、軽い興奮状態のなか、午前7時過ぎまで私はぐっすり眠ることができました。朝になると、少しずつ電車も動き始め、どうにかこうにか12時間をかけて会社から帰宅を遂げました。その日、土曜日の稽古をすべて中止にしたのは単に交通事情だけでなく、私の疲労のせいでもありました。2週続けて演出稽古を休みにするのは、演出初期のこの時期、とても厳しい決断ですが、今回に限っては即決でした。その日はそれでも昼間、眠ることはできず、ご近所の方たちと家の周囲の雪かきに励みました。なんだかナチュラルハイの状態でしたね。海外旅行から帰った日の時差ぼけのような。おかげで八木原家の周囲はきれいです。

東京の雪